2020年12月15日公開
総務課 秘書室 (問) 0823-43-1628
平成28年11月の江田島市長選挙で,初当選を果たし,令和2年11月の江田島市長選挙で無投票の再選を果たした明岳 周作(あきおか しゅうさく)市長。 今後の江田島市政を,どのように進めていくのかについて,令和2年12月に開催された市議会定例会で,2期目の所信を表明しました。 |
令和2年11月1日に告示されました市長選挙におきまして,無投票当選での再選を頂き,引き続き,江田島市長として,市政運営を担うこととなりました。
今後も,人口は減少傾向のまま推移し,また,令和6年度には,市町村合併による有利な起債制度が終了することが見込まれております。
これからの4年間は,市の経営環境が厳しさを増す中にあって,私たちの子や孫,その先の将来を担う世代のために,持続可能で,明るい未来を描くことが可能な江田島市を築くという,大変重要な舵取りが必要となります。
このような時期に,市政を担うリーダーに求められる責務は非常に大きいものがあると痛感しており,責任の重さと大きさに身が引き締まる思いでございます。
それとともに,愛する郷土のため,全力を投じて「住む人も,訪れる人も『ワクワクできる島』えたじま」づくりに邁進する決意を,新たにしているところでございます。
今後の市政運営につきまして,私の所信の一端を申し上げ,市民の皆様の御理解と御協力をお願いします。
市政における喫緊の課題は,こうした状況下における市民の皆様の「暮らしの安心の確保」と「経済の活力づくり」でございます。
まずは,何よりも,このことを最優先の課題として取り組んでまいります。
私の第1期の市政を振り返ってみますと,平成30年7月豪雨による災害,そして,令和となって,新型コロナウイルス感染症と,二つの非常事態に見舞われました。
これまでの4年間は,市民の皆様に,日常の暮らしを取り戻していただくことに心を砕いた日々であったように思います。
しかしながら,私が市長に就任した平成28年12月に,24,662人であった本市の人口は,令和2年12月には,22,396人と,実に2,266人の減少となりました。
少し長いスパンで振り返りますと,戦後初めての国勢調査が行われた昭和22年,今から73年前の本市の人口は63,560人でございました。
ここをピークに人口は一貫して減り続けており,近年は,概ね年間500人を超えて減少している状況にあります。
人口減少は,地域の将来の持続性を揺るがす根幹的な課題でございます。
このため,豪雨災害や疫病のまん延という非常事態への対応を図りつつ,人口減少の改善を図り,未来に向けた基盤を築くため,
「企業誘致やオリーブ振興などの産業振興」
「通学定期補助や病児病後保育の開始などの子育て支援」
「えたじマイレージポイントや健康診査の受診勧奨などの健康づくり」
「保育施設,消防庁舎,交流プラザなどの公共施設の再編整備」
「江田島市国際交流協会の設立」
などに取り組んでまいりました。
この結果,平成25年度から実施している市民満足度調査では,満足度ポイントの平均値が毎年上昇しております。
私が市長に就任した年である平成28年度は55.2ポイントでございました。
本年度は56.3ポイントと,1.1ポイントアップしております。
しかしながら,人口は減少傾向の改善に至ることはできず,また,財政の健全性を図る指標の一つである経常収支比率は,平成28年度の
92.6%から,令和元年度は98.3%まで悪化いたしました。
私の第2期におきましては,第1期の良いところは継続・改善を図り,省みるべきところは省みながら,市政運営を図ってまいります。
それでは,私の市政運営における,その決意と考え方を申し上げます。
私は,市政を運営する基本的な姿勢として,引き続き,「熱意・誠意・創意」を胸に,物事に取り組んでまいります。
熱意のないところには何も生まれません。誠実という心がないと信頼は生まれません。
創意を図らないと,今日より明日へと前進することができません。
「熱意・誠意・創意」は,人が何かを成し遂げるために欠かせないという考え方は,第1期から変わっておりません。
この思いをもって,「住む人も,訪れる人も『ワクワクできる島』えたじま」づくりに,引き続き取り組んでまいります。
私は,「ワクワクできる島」を,「住む人が元気で,活発に活動し,それが訪れた方にも伝わり,ともに心が明るく楽しい気持ちになるようなまち」と,その姿を思い描いております。
こうしたイメージを共有しつつ,議員の皆様,市民の皆様も,地域づくりの主体として,一緒になって,ワクワクできるまちづくりに,それこそ,ワクワクしながら取り組んでいきたい。このように強く強く念じているところでございます。
なお,本市における最大の課題は,やはり人口減少でございます。
日本全体が人口減少期を迎え,少子高齢化が進展する中でまちづくりを進めているところでございます。
今一度,地域づくりの本質に立ち返って,人口減少下にあっても,全ての市民が夢を持ち,生きがいを感じることができるまちを目指すことが重要と考えます。
第1期の所信表明でも申し上げたとおり,人口減少は,「生まれてくる子供より,亡くなる方の数が多いこと」,「市内へ転入される方より,就職などを契機として,市外へ転出される方が多いこと」により生じるものでございます。
このため,引き続き,
・市内へ「しごと」を創り出すこと。
・若い世代の方が子育てしやすい環境をつくること。
・健康寿命を延ばすこと。
この三つを,これからも江田島市の重要なテーマとして,まちづくりを進めてまいりたいと考えております。
なお,本件に関連いたしまして,東京都に本社のあるバレットグループ株式会社の開発部門が,本市の能美市民センターに進出することが決定いたしました。
大手IT企業の進出は,本市にとって初めてのことでございます。
バレットグループ株式会社の小方厚社長は,進出発表の際に,地元人材の採用や,自社の技術を活用した地域貢献にも積極的に取り組みたいと語って頂いております。
バレットグループ株式会社は,地域の未来をともに描いていく仲間として,温かくお迎えするとともに,例えば,教育分野や産業振興分野などにおける連携や,企業誘致のPR活動への協力などについても,同社と協議・検討していきたいと考えております。
取組を推進する際には,人員と財源という経営資源を投下する必要がございます。
市職員の削減や人口減少に伴う市税の減少などにより,経営資源の縮小が見込まれる中で,財政の健全化を図りつつ,まちづくりを推進するには,効果の高い取組に注力し,効果が小さい取組への投資は圧縮・廃止をしていく必要がございます。
市政運営の持続性を確保するために,痛みを伴う改革について御理解を賜る必要も生じてくるやもしれません。
「『ワクワクする島』えたじま」の実現を推進するため,限りある経営資源を捻出し,適正配分を行う行財政改革,そして,将来のまちづくりに自覚と誇りを持って行政経営を行う職員の育成を図りつつ,私自身が強い決意を持ち,強力に,これらに取り組んでまいります。
私は,この故郷江田島市を心から愛しております。
先人が作り上げてきてくれた今の江田島市,我々を育んでくれた自然や伝統,文化など,豊かな個性を再発見し,市民の皆様に誇りを持っていただける江田島市を築き,共に歩むことが市長の使命であると考えております。
我々が愛するこの江田島市の豊かさを次の世代に託すことができるよう,全力を尽くしてまいります。
江田島市は,恵み多き島であります。
私は,これまで申し上げた取組を,市民の皆様,そして市外の江田島市を応援してくださる皆様と心を一つにして推し進めることにより,私たちの子や孫の代に,この素晴らしい「『恵み多き島』えたじま」を存在意義のある江田島市として引き継いでいけると信じています。
「念ずれば花開く」という坂村真民(さかむらしんみん)先生(熊本県出身の詩人)の言葉があります。この言葉は,ただ,単に念じていれば,じっとお願いをしていれば夢がかなうという意味ではありません。何事も一生懸命に祈るように努力し,実践すれば,自ずから道は開ける,夢や目標がかなうという意味です。
皆様と共に強い思いを持って実践をすることにより,江田島市をいいまちに,よりよいまちにしていきましょう。
私は,次世代を担う子供達が夢と希望が持てるような江田島,「住む人も,訪れる人も『ワクワクできる島』えたじま」の実現に向け,全力で取り組んでいきます。