先月号で江能4町の財政状況について説明しましたが、今回は財産や公共設備等整備の状況をお知らせします。
また、先月号の地方債現在高欄で制度上、誤解を招く箇所があり、住民の皆様に混乱を招きましたので、前回の財政状況の補足と追加説明を併せて掲載します。
財産(土地・建物)
平成12年度末の江能4町の所有する土地、建物を、行政目的により分類しました。
行政財産
地方公共団体が、現在公用若しくは公共用に使用し、又は使用しようと決定した財産をいいます。
- 公用財産
- 地方公共団体がその事務又は事業を執行するため、自らが直接 使用することを本来の目的としている財産です。(例 本庁舎、消防施設など)
- 公共用財産
- 住民の一般的共同使用に使われることを本来の目的としている財産です。(例 学校、保育所、公営住宅、公園など)
- 普通財産
- 行政財産以外の一切の公有財産をいいます。直接特定の行政目的のために、使用されるものではありません
公共設備等整備状況(平成11年度末)
主な公共設備等の整備状況を一覧表にしました。
財政構造の推移
起債制限比率
3月号に掲載の公債費比率は、地方債の元利償還金の一般財源(地方税、地方交付税など)に占める割合を示すもので、この元利償還金の普通交付税措置等の要素部分を除いた額での割合が起債制限比率です。地方債の許可制限に係る指標として用いられます。
広島県町村部平均は、10%前後で推移しています。江能4町は平成7年度~9年度にかけて16~18%に達しましたが、その後減少しています。
なお、建設事業で地方債を発行する場合、次のような場合には発行が制限されます。
- 当該団体が、地方税法の標準税率より低い税率に引き下げ、通常であれば得るであろう税収を得ていない場合
- 当該団体が赤字を出している場合は、借金能力がないとされており、具体的には、市町村では一般財源の2割を超える赤字を出している団体の場合
- 起債制限比率が20%以上の場合
積立基金現在高(平成12年度末)
財政調整基金は、将来における財政の健全な運営に資するために積み立てられている基金のことで、減債基金は、将来における地方債の償還費に充てるために積み立てられている基金をいいます。
その他特定目的基金は、将来における特定目的に充てるため、財政調整基金及び減債基金以外の積立基金に設置目的別に積み立てられている基金のことです。
地方債現在高(平成12年度末)
地方債は、地方公共団体が建設事業などに必要な財源を調達するために負う債務(借入資金)で、その返済が一会計年度を超えて行われるものです。
普通会計債は、道路や学校の整備など一般的な行政需要を満たすために必要な経費の財源とするために借り入れる地方債で、償還財源は住民の皆さんから負担いただく税収入などをもって返済されます。
一方、事業会計債や企業債は、下水道や船舶運送業など特定の目的のために行う経費の財源とするために借り入れる地方債で、償還財源は原則的にはそれぞれの会計における事業収入等(下水道使用料・船舶運賃など)が充てられ、原則として直接受益を受けられる方に負担していただきます。
なお、地方債は、前述のとおり主に道路や学校などの建設事業を行う際に発行するため、地方公共団体の財政状況が厳しい状況の下で施設整備を進めていくと、地方債の発行額は多くなりますが、住民サービスとしての施設等は充実することになります。
例えば、江田島町や能美町は、下水道の供用開始を既に行っており、その普及率は、平成11年度末で江田島町が11.1%、能美町が48.2%となっていますが、反面、地方債現在高は平成12年度末で江田島町が22.1億円、能美町が24.4億円となっており、今後、下水道事業の整備が進むにつれて、地方債の借入残高は増えていくことになります。
先月号で、制度上違う普通会計債、事業会計債及び企業債を、説明不十分のまま一緒に掲載したため、混乱を招きましたことを、おわびいたします。
前述のとおり、住民の皆さんから広く負担していただく税収入などで返済するのが普通会計債で、原則として事業収入など直接受益を受ける方に負担していただくのが事業会計債及び企業債です。