はじめに
適切な管理が行われていない空き家がもたらす社会問題に対応するため,江田島市でも様々な空き家等対策を実施しております。
空き家等の所有者は,近隣の生活環境に悪影響を与えないよう,適切に管理する責任があります。
目次
- 空き家の管理は何をすればいいか
- 空き家を利用する見込みがないが,どうすればよいか
- 空き家の敷地内の樹木や雑草が,自分の土地に越境している
- 空き家の瓦や壁材など落下の危険があり,自宅への被害が心配
- 空き家の所有者を調べるには,どうすればよいか
- 空き家にハチの巣ができている
- 空き家に家電やゴミが不法投棄されている
- 自分の土地に別名義人の空き家があり,解体・除却したいがどうすればよいか
- 所有者が死亡しており,相続人がいない場合はどうすればよいか
- 近隣に迷惑をかけない方法は
- 市の対応方法は
Q 空き家の管理は何をすればいいか
A 定期的に空き家の状況を把握し,周囲に悪影響を及ぼさないようにしなければなりません。
空き家は個人の財産です。問題解決に当たっては,所有者等の責任による対応が求められます。
Q 空き家を利用する見込みがないが,どうすればよいか
A 賃貸・譲渡など空き家の利活用を検討してみましょう。
空き家は持っているだけでも固定資産税や管理費などがかかります。利用の予定がないのであれば,家賃収入を得るために貸し出す事例もあります。
Q 空き家の敷地内の樹木や雑草が,自分の土地に越境している
A 場合によっては,自ら切り取ることができます。
上記のいずれかに該当する場合は,自ら切り取ることができます。(民法233条3項1号~3号)
市では,空き家の所有者等に対し,切除を促す通知を送付しています。市が,木の剪定などを行うことはできません。
Q 空き家の瓦や壁材など落下の危険があり,自宅への被害が心配
A 緊急に対応が必要な場合は,弁護士へご相談ください。
被害を受けた場合は,「妨害排除請求」ができ,被害を受ける可能性がある場合には,「妨害予防請求」ができます。
それ以外の場合には,市から空き家の所有者等に対し,「安全対策措置通知」を送付したり,直接連絡を取ることで対応を依頼することとなります。
Q 空き家の所有者を調べるには,どうすればよいか
A 法務局で登記簿を確認します。
登記簿には,所有者の住所、氏名が記載されています。これは,公の情報であり,どなたでも閲覧することが可能です。市の課税情報は,個人情報のため,お伝えできません。
登記簿上の情報が正確でない場合は,司法書士や行政書士が調査できる場合があります。
Q 空き家にハチの巣ができている
A 基本的に空き家の所有者等が行うことになります。
市は,原則として所有者等へ対応を促す通知を送付することとなります。
なお,ハチの種類や活動状況,巣がある場所などにより,市民の安全のため緊急的な対応が必要と認められ,かつ所有者等と連絡が取れず,対応が遅れると見込まれる場合には市にご相談ください。
空き家に家電やゴミが不法投棄されている
A 土地所有者等の責任において,不法投棄されないよう防止対策を講ずるなど,適切な管理を行う必要があります。
市から所有者等へ通知をすることとなりますので,ご相談ください。
自分の土地に別名義人の空き家があり,解体・除却したいがどうすればよいか
A 利害関係者(空き家の敷地所有者)の場合には,空き家の所有者等に対し,建物収去土地明渡請求を行うことができます。また、相続財産管理人を選任してもらう方法もあります。
いずれの場合もまずは,弁護士等へご相談ください。
Q 所有者が死亡しており,相続人がいない場合はどうすればよいか
A 弁護士または司法書士にご相談ください。
その空き家に対し,利害関係者であることが認められれば,家庭裁判所に相続財産管理人の選任を申し出ることができます。
相続財産管理人が選任されれば,空き家などを含む財産の整理や活用・清算が可能です。
Q 近隣に迷惑をかけない方法は
A 最も望ましいのは,空き家等の所有者の連絡先を近隣の方々が知っていることです。
日頃から良好な近隣関係を保ち,空き家となった際も次の所有者(相続人)等の連絡先を交換しておけば,問題発生時に軽微なうちの対応をお願いすることが可能です。
また,空き家の郵便受け等に不在中の所有者等の連絡先を明記することも有効な手法です。
Q 市の対応方法は
A 空き家所有者等へ「安全対策措置通知」等を送付しています。
ただし,この通知は,法的に強制力はありません。あくまでも所有者等への自主的な対応を促すものです。
法的にある程度の強制力をもって,対応させたい場合は,民事調停や民事裁判等の制度を利用していただく必要があります。